秋沢三郎(夫人の桜井浜江は太宰の「 饗応夫人」モデル
博士論文全公開
早稲田大学審査学位論文(博士) - 早稲田大学リポジトリ
川端康成の「魔界」に関する研究
―その生成を中心に―
A Study on the “Makai” of Kawabata Yasunari
― Focusing on the Formation ―
早稲田大学大学院社会科学研究科
地球社会論専攻日本研究・日本文化論
李 聖 傑
LI Shengjie
2013 年 7 月
川端康成の「魔界」に関する研究
―その生成を中心に―
A Study on the “Makai” of Kawabata Yasunari
― Focusing on the Formation ―
早稲田大学大学院社会科学研究科
地球社会論専攻日本研究・日本文化論
李 聖 傑
LI Shengjie
2013 年 7 月
file:///C:/Users/USER/Downloads/Honbun-6435%20(1).pdf
J・D・べレスフオド [1932]「小説の実験」『文学の実験と伝統』秋沢三郎/森本忠訳,金星堂
1930 年代に入ってから,新感覚派文学とプロレタリア文学が下り坂にさしかかった。と
くに 1933 年,小林多喜二が殺され,共産党幹部が転向を表明し,プロレタリア文学の事実
上の破滅につながった。この年に,不安と混迷に陥た川端は「末期の眼」(『文芸』1933 年
12 月)を発表した。このエッセーの成立の経緯について,文末でも明かしている(2)が,随
筆集『文章』の「あとがき」に「『末期の眼』は,『文芸』が創刊されたころ,『改造』の編
集者として私もかねがね世話になつてゐた上林暁君が『文芸』の編集に移つて,私に『小
説作法』を書けとのことで,そのはしがきのつもりで書きだしたが長くなり,『小説作法』
といふ題を消して,『末期の眼』と改めて出したものである。/ついあらぬ方へ筆が向いて
本文に辿りつかぬ,はしがき風の作品は私に多い。これもその一例である」とあるように
[川端 1942b : 326],「小説作法」について書きたいのが本来の意図であった。もともと「小
説作法」を書くつもりで準備した材料としてあげられるのは,J・D・べレスフオド「小説
の実験」(『文学の実験と伝統』金星堂,秋沢三郎,森本忠訳,1932 年 11 月)とポォル・
ヴァレリイ「頌(プルウスト)」(『ヴァリエテ』白水社,中島健蔵,佐藤正彰訳,1932 年
11 月)である。
くに 1933 年,小林多喜二が殺され,共産党幹部が転向を表明し,プロレタリア文学の事実
上の破滅につながった。この年に,不安と混迷に陥た川端は「末期の眼」(『文芸』1933 年
12 月)を発表した。このエッセーの成立の経緯について,文末でも明かしている(2)が,随
筆集『文章』の「あとがき」に「『末期の眼』は,『文芸』が創刊されたころ,『改造』の編
集者として私もかねがね世話になつてゐた上林暁君が『文芸』の編集に移つて,私に『小
説作法』を書けとのことで,そのはしがきのつもりで書きだしたが長くなり,『小説作法』
といふ題を消して,『末期の眼』と改めて出したものである。/ついあらぬ方へ筆が向いて
本文に辿りつかぬ,はしがき風の作品は私に多い。これもその一例である」とあるように
[川端 1942b : 326],「小説作法」について書きたいのが本来の意図であった。もともと「小
説作法」を書くつもりで準備した材料としてあげられるのは,J・D・べレスフオド「小説
の実験」(『文学の実験と伝統』金星堂,秋沢三郎,森本忠訳,1932 年 11 月)とポォル・
ヴァレリイ「頌(プルウスト)」(『ヴァリエテ』白水社,中島健蔵,佐藤正彰訳,1932 年
11 月)である。
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『女の町』
- translator:秋沢三郎(Akizawa Saburō) Publisher:新展社
- 1948
『田園抒情歌』
- translator:海老池俊治(Shunji Ebiike) Publisher:新月社/英米名著叢書
- 1948
『メアリ・バートン -マンチェスタ物語』
- Two Volumes
- translator:北澤孝一(Kitazawa Kōichi) Publisher:日本評論社(Nihon HyoronSha)/世界古典文庫52,53
- One:1948
- Two:1949
- Two Volumes
- 山下武(Yamashita Takeshi)
- translator:北澤孝一(Kitazawa Kōichi) Publisher:本の友社(Hon no TomoSha)/名作翻訳選集/英米篇
- 復刻版:1998/ 7
- Set:ISBN4-89439-156-2
『Cousin Phillis』
- 注釈:海老池俊治(Shunji Ebiike) Publisher:研究社(KenkyuSha)/研究社小英文学叢書
- 1950/ 5
『女だけの町(クランフォード)』
- translator:川原信(Kawahara Nobu) Publisher:角川文庫(Kadokawa bunko)
- 1953
『ザセクストンスヒーロー』
- editor/translator:小野勇/広岡英雄 Publisher:篠崎書林(Shinozaki Shorin)
- 1955/ 5
『女だけの町(クランフォード)』
- translator:小池滋(Koike Shigeru) Publisher:岩波文庫(Iwanami bunko)
- 1986/ 8
『シルヴィアの恋人たち』 Sylvia's Lovers
- translator:大野龍浩(Oono Tatsuhiro) Publisher:彩流社(SairyuSha)
- 1997/12
- ISBN4-88202-523-X
『メアリ・バートン -マンチェスター物語』 Mary Barton
- translator:松原恭子(Matsubara Kyōko)/林芳子(Hayashi Yoshiko) Publisher:彩流社(SairyuSha)
- 1998/11
- ISBN4-88202-518-3
『メアリー・バートン -マンチェスター物語』 Mary Barton
- translator:相川暁子(Aikawa Akiko)/他 Publisher:近代文芸社
- 1999/ 4
- ISBN4-7733-6538-2
『悪夢の一夜』 A Dark Night's Work
- translator:朝川真紀(Asakawa Maki)/中村美絵(Nakamura Mie) Publisher:近代文芸社
- 2003/ 1
- ISBN4-7733-6951-5
『ルース』 Ruth
- translator:阿部幸子(Abe Sachiko)/角田米子(Tsunoda Yoneko)/宮園衣子(Miyazono Kinuko)/脇山靖惠 Publisher:近代文芸社
- 2009/ 2
- ISBN978-4-7733-7592-3
『ギャスケル夫人短篇集』
- translator:田部重治(Tanabe Juhji) Publisher:改造文庫(Kaizo bunko)/第2部508
- 1942
『ギャスケル短篇集』
- translator:小倉皐 Publisher:南雲堂(Nan'un-do)/フイニツクス・ライブラリー(Nan'un-do's Phoenix Library)/英和対訳
- 1952
『呪われた人々の物語 -E・ギャスケル短篇集』
- translator:伊達安子(Date Yasuko)/他 Publisher:近代文芸社
- 1994/10
- ISBN4-7733-3257-3
- 「乳母物語」
- translator:足立万寿子
- 「呪われた種族」
- translator:杉山直之
- 「ブリジェットの呪い」
- translator:足立万寿子
- 「グリフィス家の悲運」
- translator:伊達安子
- 「乳母物語」
『ギャスケル短篇集』
- editor/translator:松岡光治(Matsuoka Mitsuharu) Publisher:岩波文庫(Iwanami bunko)
- 2000/ 5
- ISBN4-00-322662-3
- 「ジョン・ミドルトンの心」
- 「婆やの話」
- 「異父兄弟」
- translator:松岡光治 ポプラ社(PoplarSha) 『百年文庫022』
- 「墓掘り男が見た英雄」
- 「家庭の苦労」
- 「ペン・モーファの泉」
- 「リジー・リー」
- 「終わりよければ」
「老いたる子守の回想」 The Old Nurse's Story (1852)
- translator:池央耿(Ike Hiroaki) 新潮文庫(Shincho bunko) editor:アイザック・アシモフ(Isaac Asimov)/マーティン・H・グリーンバーグ(Martin H. Greenberg)/キャロル=リン・R・ウォー(Carol-Lynn R. Waugh) 『クリスマス13の戦慄』 The Twelve Frightsk of Christmas
- 「老いた子守り女の話」translator:川本静子(Kawamoto Shizuko) みすず書房(Misuzu Shobo) editor:川本静子(Kawamoto Shizuko)/佐藤宏子(Satō Hiroko) 『ゴースト・ストーリー傑作選』
「地主の物語」 The Squire's Story
- translator:海老池俊治 集英社(ShueiSha) editor:中野好夫(Nakano Yoshio) 『世界短篇文学全集01』
Nonfiction/Etc.
『シャーロット・ブロンテ伝』
- translator:網野菊(Kiku Amino) Publisher:実業之日本社/伝記文学選集
- 1942
『シャーロット・ブロンテの生涯』 The Life of Charlotte Brontë
- translator:和知誠之助(Wachi Seinosuke) Publisher:山口書店(Yamaguchi Shoten)
- 1980/ 5
- ISBN4-8411-0039-3
目錄
『ギャスケル全集01 -クランフォード・短編』
- 日本ギャスケル協会
- translator:小池滋(Koike Shigeru)/他 Publisher:大阪教育図書
- 2000/ 1
- ISBN4-271-11451-0
- 「クランフォード」
- 短篇
- 「従妹フィリス」
- 「荒野の家」
- 「魔女ロイス」
- 「灰色の女」
- 「リジー・リー」
- 「異父兄弟」
- 「マンチェスターの結婚」
- 「地主物語」
『ギャスケル全集02 -メアリ・バートン』 Mary Barton
- 日本ギャスケル協会
- translator:直野裕子(Naono Hiroko) Publisher:大阪教育図書
- 2001/12
- ISBN4-271-11452-9
『ギャスケル全集03 -ルース』 Ruth
- 日本ギャスケル協会
- translator:巽豊彦(Tatsumi Toyohiko) Publisher:大阪教育図書
- 2001/ 1
- ISBN4-271-11453-7
『ギャスケル全集04 -北と南』 North and South
- 日本ギャスケル協会
- translator:朝日千尺(Chiseki Asahi) Publisher:大阪教育図書
- 2004/10
- ISBN4-271-11454-5
『ギャスケル全集05 -シルヴィアの恋人たち』 Sylvia's Lovers
- 日本ギャスケル協会
- translator:鈴江璋子(Suzue Akiko) Publisher:大阪教育図書
- 2003/ 4
- ISBN4-271-11455-3
『ギャスケル全集06 -妻たちと娘たち』 Wives and Daughters
- 日本ギャスケル協会
- translator:東郷秀光(Hidemitsu Tohgou)/足立万寿子(Adachi Masuko) Publisher:大阪教育図書
- 2006/ 4
- ISBN4-271-11456-1
『ギャスケル全集07 -シャーロット・ブロンテの生涯』 The Life of Charlotte Bronte
- 日本ギャスケル協会
- translator:山脇百合子(Yamawaki Yuriko) Publisher:大阪教育図書
- 2005/ 6
- ISBN4-271-11457-X
『ギャスケル全集 別巻01 -短編・ノンフィクション』
- 日本ギャスケル協会
- translator:鈴江璋子(Suzue Akiko)/他 Publisher:大阪教育図書
- 2008/ 9
- ISBN978-4-271-11481-9
- 「日記」
- 「死産の女児の墓に詣でて」
- 「貧しい人々のいる風景」
- 「チェシャーの慣習」
- 「クロプトン・ホール」
- 「リビー・マーシュの三つの祭日」
- 「寺男の英雄」
- 「エマソンの連続講演」
- 「クリスマス」
- 「イングランドの前世代の人々」
- 「手と心」
- 「マーサ・プレストン」
- 「ペン・モーファ村の泉」
- 「ジョン・ミドルトンの心」
- 「失踪」
- 「『アシニアム』誌掲載評論」
- 「ハリソン氏の告白」
- 「ベッシーの家庭の苦労」
- 「ペルシャ王に仕えた英国人庭師」
- 「ばあやの物語」
- 「カンバーランドの羊毛刈り」
- 「モートン・ホール」
- 「私のフランス語の先生」
- 「ユグノーの特性と物語」
- 「現代ギリシャ民謡」
- 「おもてなしの仕方」
- 「呪われた民族」
- 「一時代前の物語」
- 「貧しきクレア修道女」
- 「『メーベル・ヴォーン』への序文」
- 「ナイアガラの滝での出来事」
『ギャスケル全集 別巻02 -短編・ノンフィクション』
- 日本ギャスケル協会
- translator:東郷秀光(Hidemitsu Tohgou)/他 Publisher:大阪教育図書
- 2009/ 3
- ISBN978-4-271-11482-6
- 「やっと順調に」
- 「ラドロー卿の奥様」
- 「グリフィス一族の運命」
- 「曲がった枝」
- 「本当なら奇妙」
- 「ヘッペンハイムの六週間」
- 「ヴェッキ大佐著『カプレーラでのガリバルディ』への序文」
- 「あるイタリアの組織」
- 「暗い夜の事件」
- 「クロウリー城」
- 「まがいもの」
- 「ロバート・グールド・ショー」
- 「クランフォードの鳥籠」
- 「フランス日記」
- 「W・T・M・トレンス『ランカシャーの教訓』書評」
- 「怪談の断章二篇」
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